「へー、いいところがあるのですね、陛下」
「まさかの気遣い、ですか?」
「う、うるさい。先程、おれが言ったことをきいていなかったのか?」
「ええ、きいていましたよ。なぁ、チャーリー?」
「ええ、きいていましたよ。なぁ、パーシー?」

 チャーリーとパーシーのヴィクターいじりはあいかわらずである。

(この人たち、ほんとうに大陸一強いと怖れられているオーディントン国軍の将軍と参謀と副官なの? 謎だらけでいろいろな意味で恐怖の対象になっている『野獣王』とその側近たちなの?)

 彼らのやりとりを見ていると、とてもではないけれどそうは見えないし思えない。