「ヴィクター様、お気遣いありがとうございます。ですが、わたしは自分のことは自分で出来ます。実際、いまもやっていますので。ですから、わたしなどの為に貴重な人員を割いていただかなくて結構……」
「なんだと? たしかに、きみは不必要な存在だ。しかし、それでも客人は客人。『じつは、ずっと不便な生活を送らされていた』などと、あとであらゆる人間にささやかれてみろ。将軍、ひいては国王であるおれの配慮が足りなかったと非難される。それは、迷惑この上ない」
ヴィクターの不興を買ってしまった。
「なんだと? たしかに、きみは不必要な存在だ。しかし、それでも客人は客人。『じつは、ずっと不便な生活を送らされていた』などと、あとであらゆる人間にささやかれてみろ。将軍、ひいては国王であるおれの配慮が足りなかったと非難される。それは、迷惑この上ない」
ヴィクターの不興を買ってしまった。

