「手伝いのレディのことだ。つまり、侍女的役割のレディのことだ」
「はい?」

 一瞬、ヴィクターの口から唐突に出てきた言葉が理解出来なかった。

「ここは、知っての通り駐屯地だ。あいにく、ここにはレディがいない。他の駐屯地にはレディの兵士や士官がいるが、ここにはひとりもいない。だから、身の回りの世話をするレディが必要だ」

 ああ、なるほど。

 納得である。