「ふんっ! まぁまぁだな」

 彼は、ひとことだけ感想を述べた。

(ふふふっ。不味い、ではないのね)

 わたしを傷つけないけれど、有頂天にさせない言葉を選択した彼がお茶目すぎる。

『やはり美味すぎる。彼女は、神か天使か? スイーツの女神か? プロをこえているだろう? ああ、彼女がスイーツの店を開いたら、この大陸一のパティシエになれるぞ。だが、ダメだダメだ。そうなったら、世の中の男どもが彼女の可愛さ目当てに買いに来る。そんなこと、許せるものか。ここはやはり、おれと子どもたちの為だけにスイーツを作ってもらわないとな』

 彼の大げさで盛りすぎの感のある「真実の声」に驚いてしまった。