「わおっ! 美味そう」
「レディ、美味そうですね。今日はマドレーヌですか? レシピがだんだん増えていきますね」

 パーシーとチャーリーは、いつもお世辞を言ってくれる。

 でも、そのあとに彼らの「真実の声」が心に流れ込んでこないので、言葉通り思ってくれているみたい。

「ええ。料理長に教えてもらってなんとか。それに、スイーツに関しては町のカフェのパティシエにこっそり教えてもらっています。ですので、みなさんのお蔭でなんとか体裁は整えられるわけです」

 そう。料理長のシドニーが教えてくれるだけでなく、町のカフェのパティシエにもコツというか秘伝というか、こっそり教えてもらっている。それをシドニーと試しているのである。

 というわけで、わたしの腕前ではない。あくまでも、町のカフェのパティシエとシドニーのお蔭であるこ。