そんなある日、パーシーとチャーリーに「陛下の執務室に来て欲しい」と言われた。

 ちょうどマドレーヌを焼き終わったタイミングである。

 わたしは、「なんでも自由にしていい」と言われている。だから、料理長のシドニーに料理やスイーツの作り方を習い、チャレンジしている。それ以外には、庭で花や野菜の手入れをしたり、厩舎に行って馬を見せてもらったり、図書室で本を読みまくったりと自由気ままにさせてもらっている。

 それはともかく、パーシーとチャーリーが厨房に呼びに来たとき、マドレーヌが焼き上がったところだった。