いままでと違い、みんなにかまってもらえることがなによりうれしい。こんなことを言ってはなんだけど、チヤホヤしてもらっていることも照れ臭くもありうれしくもある。

 甘やかされ、おだてられたりやさしくされて有頂天までとはいかないまでも、わたし自身調子にのってしまっているのかもしれない。

 しかし、それがそのまま不安に直結することもたしか。

 みんなの態度がいつ豹変するかもしれない。いままでとは正反対の態度になるかもしれない。

 ヴィクターだって、いつわたしに愛想を尽かすかもしれない。彼の「真実の声」を感じることが出来なくなるかもしれない。つまり、人前で彼が言っていることが彼の「真実の声」になるかもしれない。