「ふんっ! おれは視察の続きがある。行きたければおまえたちだけで行けばいいだろう? いちいちおれを誘うな」

 それでも、ヴィクターは頑なに拒否をした。

「陛下、そんなことを言わずに。だいたい、いつも視察なんて適当で、町の人たちと話をしたりカフェでさぼったりしているでしょう? どうして急にそのように真面目になるのです?」
「チャーリー、そ、そんなことはない。みながちゃんと暮らせているか、くまなく見てまわっているではないか」
「だったら、今日くらいはさぼりましょう。せっかくいい天気ですし、テラス席でワイワイ喋りましょう。スイーツを食べ、レモネードを飲みながらね」
「しつこいな、パーシー。いいかげんにしろ」

 ヴィクターは、馬上で大きな体全体を使って拒否し続ける。