「というわけだ。って、これでもまだおまえはヘラヘラ笑ってるのか? ほんとうに気味が悪いな。もういい。行け。その陰気なヘラヘラ笑いは、もう二度と見たくない」

 彼は、唾を吐く勢いで言った。

 だけど、この笑いはおさまりそうにない。

 生贄だろうと人質だろうと、自由になれるのだ。離縁されたのだから。

 今日は、最良の日。

 最後にこれまでにないほどのヘラヘラ笑いを浮かべてみせた。