「幼少の頃の約束で妻にしてやったが、愛などない夫婦関係などこれ以上耐えられない。それに、おまえにはなんの能力もない。つまり、無能者だ。ヘラヘラ笑う以外はな。それに比べ、きみの義姉こそ力を備えた本物の能力者。皇族にとって、いや、おれにとって必要なレディ。なにより、陰気でなにを考えているかわからないおまえより、美しくて愛くるしい。彼女こそがおれが真に愛するレディ。よって、いまこの場でおまえを離縁する。おいおい、こんなときまでヘラヘラ笑うのか? 気味が悪いぞ」

 どうやらわたしはたったいま離縁されたみたい。