甘くて優しい青春恋物語 ~嫉妬にまみれた体育祭は取り合い勃発!?~

 目鼻立ちは整っているし、しっかりしてそうではある……と勝手に思う。

 実際は、ちょっとポンコツっぽい。絶対言わないけど。

 ……それでも、イケメンなせいか様になっている。

 静流にもこの人にも、喧嘩売ってんのか?って言いたくなるなぁ。

「学年とクラス、教えてください。もうすぐ休憩終わるので、案内しますよ。」

「……え、いいんですか?」

「あ、嫌ならいいんです。それじゃ私はこれで。」

「待って待って待ってっ!!」

 くるりと背を向けて自分の教室に帰ろうとした私を、引き止めてくるそのイケメン。

 必死な顔に、思わずぷっと吹き出しそうになった。

 ……はぁ、仕方ないな。

 面倒だけど、このまま見捨てて彷徨われても困るし、送っていこう。

「だったらさっさと行きますよ。私に着いてきてください。クラスはどこなんですか?」

「あ、ありがとうございます……! えっと……だ、大学のほう?」

「え。」

 大学のほう、だと……。

「何で高校のほうに迷い込んでんですかっ!? あなた馬鹿なんですか!?」