甘くて優しい青春恋物語 ~嫉妬にまみれた体育祭は取り合い勃発!?~

「変な静流。……あっ、私こっちだからまた後で。」

 次の授業が終わったらお昼休みになるし、すぐに静流に会えるからさっさと更衣室に向かった。

 こういう時、静流は聞き訳が良く引き留めてこない。

 ……引き留めてほしいってわけじゃ、ないけど。

 そう思ったから、なのか。

「警戒心なさすぎ。」

「んぇ? 静流、何かいっ……――!?」

 え、ちょ、静流の馬鹿野郎……っ!!

 な、何キスしてきて……!

「ん……む、んんっ……!」

 TPOの中で、せめてPは考えてほしい。

 ここ学校の中……! しかも休憩中……!

 いつもは引き留めてこないくせに、今日はしっかり腕を引いて逃げられないように背中に手を回していて。

「しず、るっ! い、いっかい、離してっ!」

「……嫌だった、か?」

「そ、そういうわけじゃ……っ! 場所を考えろって言いたいの! ここ学校!」

「それが?」

 全く分かっていないと言いたげな静流の顔を、一思いにぶん殴ってやりたい。

 乙女の気持ちくらい、理解してほしいっ! こっちに身になってみろって!