でも、声が出ない。何で声が出ないかなんて、知った事じゃない。
静流は私の気持ちを察したのか、はたまた無視したのか、否応なしに抱きしめてくる。
さっきよりも強く、潰れそうなくらい。
「あんなぽっと出の奴に、香取られたくないんだけど。」
耳元で囁かれたその言葉は、危ない薬みたい。
私を嫌な方向に堕としてきそうで、気付けば静流の胸板を押していた。
「……静流、嫉妬したって、こと?」
「それ以外に何があるって言うんだ。まぁ、嫉妬って言葉じゃ片付けられないだろうがな。」
またもやビクッと、私は体を跳ねさせた。
さっきから静流の言葉には、重たい何かが備わっているみたい。
それに加え、ぼそっとこう呟いた静流。
「あの男が香のこと見られないように、叩き潰そうかな。」
……ひぇ。
恐ろしい、って初めて思った。
今の静流の顔は、とてつもなく怖い。悪い顔じゃない、怖い顔だ。
静流って……こ、こんなに嫉妬深かったっけ?
そう思ってしまうほどに、私は今の静流に怯えてしまっていた。
静流は私の気持ちを察したのか、はたまた無視したのか、否応なしに抱きしめてくる。
さっきよりも強く、潰れそうなくらい。
「あんなぽっと出の奴に、香取られたくないんだけど。」
耳元で囁かれたその言葉は、危ない薬みたい。
私を嫌な方向に堕としてきそうで、気付けば静流の胸板を押していた。
「……静流、嫉妬したって、こと?」
「それ以外に何があるって言うんだ。まぁ、嫉妬って言葉じゃ片付けられないだろうがな。」
またもやビクッと、私は体を跳ねさせた。
さっきから静流の言葉には、重たい何かが備わっているみたい。
それに加え、ぼそっとこう呟いた静流。
「あの男が香のこと見られないように、叩き潰そうかな。」
……ひぇ。
恐ろしい、って初めて思った。
今の静流の顔は、とてつもなく怖い。悪い顔じゃない、怖い顔だ。
静流って……こ、こんなに嫉妬深かったっけ?
そう思ってしまうほどに、私は今の静流に怯えてしまっていた。

