なんだか変な人だった……。

 第一印象はそれで、妙に疲れた気がする。

 だけど、これで面倒事は無事終わった。あの人も、大学には辿り着けたんだし文句もないはずだ。

 しかしまぁ……高校に迷い込むだなんて、変な人もいるもんだ。

 はぁ……と大きなため息を零し、教室の扉に手をかける。

「香。」

 ……そうしようとしたら、阻止された。

 誰かは言わずもがな分かる。この、ぶっきらぼうで不愛想な声はあいつしかいない。

「……何? 静流。」

「さっきの、何なのか教えてくれ。」