「流石に子供が出来て。
それを俺の子供として育てる事は出来ないって、美怜も隼人も。
ついでに俺も」

「そうですよね？
それが、普通です」

私は偽装結婚の所から、共感は出来ないけども。

「とりあえず、安定期に入る迄周りに隠して。
母は強しなのか、美怜、あの両親を捩じ伏せた。
うちの親が、まあ、裏切りだとかかなり騒いでいて。
それも、やっとだいぶ落ち着いて来て。
今のままだと、その子供が戸籍上俺の子供になるから、その手続きとか諸々まだ終わってないんだけど」

「色々、大変そうですね」

「とりあえず、俺は離婚したから」

「はい」

それは、喜んだ方がいいのだろうか？

「あの後、美怜達と離婚に向けて話し合ってて。
なかなかいい案が浮かばなかったんだけど。
今回、そうやって美怜が妊娠して。
強引にだけど、一気に解決した」

妊娠の事がなくても、中村春馬と美怜さんは離婚に向けて進んでいたんだな。
やはり、美怜さんも好きな人と幸せな結婚がしたかったのかもしれない。

目の前のこの人は…。

「だから、俺と結婚してくれない？」

そのプロポーズは思いがけないもので。
もしかしたら、今日この人にちらっとでも会えるかも？くらいにしか思っていなかったのに。

まさか、プロポーズされるなんて。