その後は、昔のように私のマンションへと二人で行く。
同棲や半同棲のような事は零斗とはしていないけど、今の私の部屋には零斗の私物が沢山有り、昔にこの人が訪れていた頃とは、少し部屋の雰囲気が違うだろう。

中村春馬はそれが目に入っているけど、いちいち口には出さない。
昔のように、私のベッドで私を抱く。
私が零斗と使う為に置いている、避妊具を使って。

「…十和子」

私の体を貫きながら、中村春馬は何度も私の名前を呼ぶ。
お互い裸になり、肌を重ねる。
この人と5年振りだから、懐かしいような新鮮で。

「…春馬」

私も昔のようにこの人を名前で呼んでいて、私の上に居るこの人に強くしがみついている。

本当にこの人が好きだったと思うけど、今は好きなのかはよく分からないけど。
ただ、こうして抱かれていると昔のその気持ちを思い出して、
抱かれている今は、中村春馬を愛しく感じてしまう。

けど、この人との関係は不倫だから。