誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

何だか眠くなって来た…。
心菜はふわふわとする頭でなんとか帰らなくちゃと思うのだが…

トントン。

「お姉さん、そんなところで寝たら危ないよー。変な人に連れて行かれちゃうよー。」

ベンチに知らないヤンチャな感じの2人組が心菜を囲むように話しかけてくる。

どうしよう…サァーと顔から血の気が引く。

逃げるしか無い。

そう思い立ち上がるのに、酔いの回った身体は言う事を聞いてくれず…。

フラフラとした足取りで駅の方に出来るだけ早歩きで歩く。

「ちょっとお姉さん。せっかく声かけてあげたのに礼も無いのー?
それは無いんじゃ無い?」

相手も酔っ払いだ、タチが悪い…。

泣きそうになりながら無視を決めて小走りで走り出す。

駅まであと少し、走っていけば誰か…駅員さんが…助けてくれる。

足がもつれて転んでしまう。
膝小僧が痛い。

どうしよう…まだ、追いかけて来る。

「あーあー、転んじゃってぇ。お姉さん大丈夫?俺達が介抱してやるから、逃げないで〜。」

誰か…助けて…誰か…蓮さん…

蓮さん助けて!!

こんな時でさえ思い出すのは蓮の事で…。

心菜は涙を拭きながら、はぁはぁと息を切らして走る。