誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

これは…会える気がしない…

ザッと観ても2、30人はいるだろうな。警備員も4、5人出て来ている。
確かにここから出て来そうだけど、まずどの車か分からない。

こうしている間にも、ワゴン車が何台かテレビ局から出て来て、人混みを掻き分け車道に出て来る。

心菜は行く当てを失って反対側の歩道から、その風景を立ち止まり見続ける。

何でさっき渡せるなんて思ったんだろう。
バカみたい…急に自己嫌悪に陥り泣きたい気分になって来る。

蓮さんとはもう2度と会えないと、退院の日に分かっていたのに…。

先週偶然にもすれ違ったから?
お互い目が合ったから?

そんな事良くある事だよ…
あっちはスーパースターだ。手の届くような人じゃない。
分かってたつもりなのに…

そう思い、心菜はとぼとぼと歩き出す。