誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

もはやイライラを抑える事も出来ない。

俺は我を忘れて車を飛ばす。
彼女を傷付けた奴らを許さない。

麻里奈から金を渡された時、
心菜はどう思っただろうか…

侮辱されたと傷付いたのでは無いだろか。

電話から10分も経たないぐらいで、龍二から連絡が入る。

「社長は今、接待で都内の料亭にいる。
相手は政治家だ。今乗り込むのはまずい。早まるな。」

「知った事か…めちゃくちゃにしてやる。」
俺の怒りはそんなんで収まる訳は無い。

「蓮、落ち付け!俺の首だってかかる案件だ。一旦落ち着いてから良く考えろ。」

「もう、無理だ。」
バンッとスマホを切り後部座席に投げ捨てる。

父が使いそうな料亭は何軒か分かる。必ず見つけて問いただしてやる。

この時の俺は頭に血が上った状態で、上手く思考回路も回らなかった。

2軒回ってやっと見つけた、料亭の個室にドカドカと足を進める。

「おい!待てっ!!」
後ろからぎゅっと腕を掴まれ足が止まる。

龍二も慌てて追いかけて来たらしく、息をハァーハァーと吐き、いつもの余裕はかけらも無く、乱れた髪がそれを物語っていた。

「社長を、他の部屋に呼ぶから…乗り込むのはちょっと待ってくれ…。」
しばらく、言葉なく2人は睨み続ける。

「5分で連れて来い…それ以上は待たん。」
俺はそう言い放す。

何事かと慌てて駆けつけた料亭の番頭や女将が、オロオロと事の成り行き見守っていたが、バタバタと部屋に案内した。