誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

彼の心地良い体温のせいか、泣き疲れたせいか、知らないうちに寝てしまう。

私が目を覚ましたのは夜明け前、彼もそのまま寝てしまったらしく、狭いベッドで抱きしめられながら目が覚める。

起こさないようにそっと布団を抜け出し、昨夜買ったばかりの妊娠検査薬を見つめしばらく思案する。

なかなか勇気が出なくて、箱を開けるのでさえ手が震えた。

検査して見なければ先に進めない。

だけど知るのが怖い…。
それを何度か繰り返しトイレに立て篭もる。

夜も白白と明るくなっていく。

早くしないと、彼が起きる時間になってしまう。勢いと焦りが手伝って、どうにか検査をし終えた。

ドクンドクンと脈打つ手が震えてる。

伏せていた検査薬を見ようと決心する。ひっくり返そうとしたその時、

「心菜?…起きたのか?」

彼の声がドア越しに聞こえ、ドキッとした拍子に検査薬を床に落としてしまう。

意図せず見てしまった…。

判定の窓に…赤い線が一本…。

陽性…妊娠してる…。

そう分かった途端、不安よりも怖さよりも喜びで胸がいっぱいになる。