コンコンコン。
私が眠れずに悶々と考えていると、ドアを躊躇いがちにノックする音がする。
寝たふりをして息を殺して布団に潜る。
ガチャッとドアが開いて蓮さんが入って来る気配がする。
「寝たのか?」
そう言いながら布団の中に湯たんぽを入れ、私の足先にそっと触れてくる。
彼は迷った末に添い寝して自分の体温で温める事にしたらしい。狭いベッドに潜り込み、私に寄り添い足先を足で挟んで温める。
私はというと、必死で起きている事がバレないように息を潜めるしか無かった。
「…心菜、寝れないのか?」
既に気付かれていたようでドキッとする。
「こんな冷たいと寝れないよな。
少し調べたんだが漢方とかが良いらしいぞ。一度産婦人科に行ってみるのも手かもしれない。」
産婦人科の言葉で私の身体はビクッと震える。バクバクする心臓をどうにか隠しながら、
「そうだね…。」
と返事を返すのが精一杯だった。
彼の優しさに涙が溢れる。
下唇を噛み締めてグッと堪えるのに…彼が頭をヨシヨシしてくるからから、もうどうしようも無くて…嗚咽を漏れてしまう。



