誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

「大丈夫だから、早く食べよ。」

心配顔の彼を席へと追いやり、取り皿に肉やら野菜やらを一杯入れて、ついでに自分の取り皿の卵もかけてあげる。

蓮が仕方が無いな。
という目で私を見ながら食事を再開する。

私はというと、食欲も無く…そんな彼を目に焼き付けながら少しずつ箸を運ぶ。

「体調悪いのか?」
私の事を何かと悟ってしまう彼は、既に何かおかしいと疑っているのが分かる。

「ちょっと…寝不足なのかな?今夜は早く寝るね。」
どうか、バレませんようにと心の中で祈りながら話す。

「アレか…。」
そう呟く蓮は、生理痛かと思ってくれたみたいで、私は内心ホッとする。

「片付けは俺がやるから横になってろ。」

彼だって仕事帰りで疲れてるはずなのに…どうしてこんなにも優しいのだろう。

既に涙腺が緩んでしまっているから、噛み締めていないと涙が溢れそうだ。

「ありがとう…蓮さん。」

そう言うのがやっとで、寝支度を整え自室に向かう。

小さなベッドで1人丸くなって横になるが、寝れる訳が無い。

妊娠検査薬だって怖くて使えないでいる。

こんな事で本当に蓮さんから離れられるのだろうか…私は自問自答する。

いっそう、話してしまおうか…。

でも…私のせいでこれ以上親子が拗れてしまってはいけない。

それに、もし、妊娠していたら?
彼の家族に産むなと言われたら…そう思うと、とても怖くて言えない。

麻里奈さんの事も、手切れ金の事も、お母様の病気の事も、彼にどう伝えれば良いか分からずは思い悩む。