誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

蓮もこの時間が1番好きだと思っている。

出来れば一日中、こうしていたいくらいだ。
そう思いながら、心菜の額に瞼に頬にキスを降り注ぐ。

ぐるんと回転したかと思うと、蓮の厚い胸板に頬を寄せる状態で動揺する。

「蓮さん…重いから、下ろして…。」
慌てて降りようとするのに、足までホールドされて動けない。

「心菜が重かったら何も持てない。」
そう言って蓮が笑う。

しばらく布団の中で至福の時を過ごした。




「また、来ようね。」

チェックアウトギリギリまで宿に滞在して、のんびりとした朝を過ごす。

帰りは女将が推薦してくれた神社に寄って、お参りをしたり温泉街をぶらぶらして帰路に着く。

夕方、夕飯を2人で食べて心菜のアパートの前に到着する。

「ありがとう。長時間の運転で疲れたよね。のんびり休んでね。」
心菜は離れてる寂しさを振り切るように、わざと明るく言って車を降りようとする。

すると、サッと蓮が心菜の手を掴んで止める。

「帰らなくちゃ駄目か?」
一瞬見つめ合って時間が止まる。

「引越し、早く出来るように片付け始めるね。」

「今週中には片付くか?引越し業者を手配する。」
蓮は心菜の手を離さないでいる。

部屋に誘うべきかな?そう思い蓮を見る。

「…少し寄って行く?狭いけど…。」

「泊まってっても?」

明日、心菜は仕事だけど蓮はお休みだ。

「ベッド狭いけど…。」

「何もしない。側にいたいだけだ。」
ハンドルにもたれかかりながら見つめられる。

「どうぞ、何も無いけど…ビールとか買って来ようか?」

「心菜がいれば何も要らない。」

この人、本当に人を惹きつける天才だ。と心菜は思ってしまう。
こんな風に言われたら駄目なんて言える人は誰もいない筈。