誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

移動中は2人終始笑い合い、あっという間に目的地の水族館に到着した。

心菜が車から降りると、蓮がぎゅっと手を繋ぎ歩き出す。

「ちょっ、ちょっと蓮さん…見つかったら大変な事になりますから。」

心菜が慌てて手を引き抜こうとするのに、指を絡めて恋人繋ぎをしてくるから困ってしまう。

「この格好してれば誰にも気付かれない筈だ。周りは気にしないで楽しんで欲しい。」

確かに見た目は蓮ぽく無くて、一見誰だか分からないかもしれないけど、長身に長い足、後ろ姿でもイケメンオーラは全く消えていない。

心菜の不安ばかりが積もる。

一方蓮はこっちおいで。と、言わんばかりに心菜の手を引っ張りチケットを買う列に並ぶ。

海沿いに建てられた水族館は、磯の香りが漂い北風が冷たい。
ビューッと風が吹くと心菜の長い髪がなびく。

今日の心菜は、お気に入りのオフホワイトのコートにふわふわのニットのタートルネックに赤のタータンチェックの膝丈スカートを履いている。足元は黒のタイツにショートブーツだ。

「寒く無いか?」

風が吹く度蓮は心菜を心配し、心菜を風から守る様に、後ろから自分のコートの中に入れる様に密着した位置に立ってくれる。

その密着度が妙に恥ずかしくて、心菜は俯きがちになる。