誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

それから、心菜は1日の大半を蓮のお世話で過ごす事になる。

看護師の仕事以外に、リハビリや作業訓練の時間以外は、蓮に呼ばれて話し相手になったり、行きたい場所に連れて行ったりもした。


「心菜はいつもどこで休憩するんだ?」
夕飯を食べながら、ふと蓮が聞いてくる。

さすがに一緒には食べれないから、見守って話し相手になるのが心菜の仕事だ。
蓮の夕飯が終わったら、心菜の仕事も終了だ。

蓮のお陰で、連日定時に帰れるようになった。救急外来とはうって変わってのんびりとした時が流れる。

「お昼ご飯は大抵屋上で食べます。
日影もあってベンチもあるので、丁度良いんです。」

「そこに、後で連れていって欲しい。」

「ご飯食べ終えたらですか?」

「ああ、何か問題でも?」

「いえ…何の変哲もない所なので、蓮さんが楽しめるかどうかが問題です。」

「一日中部屋に篭ってると、さすがの俺も気が滅入る。今なら人も少ないだろ。」

芸能人は大変だなぁ、と心菜は思う。

病院内のコンビニに行くのだって人気の少ない夜ばかりだし、昼間に庭先に出て散歩も出来ない。

「蓮さんには同情します。
好きな時に好きな所に行くのもままならないじゃないですか。
病院内でもそうなのに、外の世界に出たらもっと大変ですよね。」

まるで、自分の事の様に心配そうな顔をする。

「まぁ、今は話題の人だから仕方ないだろ。
この人気もいつまで続くか分からない。」
蓮の本音が見え隠れする。