誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

「…歳いくつ?」
プリンを食べながらふと、蓮が聞く。

「21ですけど…何故ですか?」

「いや、たまに年相応に思えない事言うから。」

「…老けてるって事ですか?」

「そこまでハッキリは言ってない。」

心菜はムッとした顔をして、
「…ずっと、
祖父の家で暮らしていました。
話す相手もお年寄りが多かったですし、
自慢じゃ無いですが、うちではいつも時代劇かお相撲しか観てなかったんです。
…なので、北條さんの事もつい最近知りました。」

「…そうだろうとは思ってた。
初めて会った日、俺の事知らなかっただろ。」

「…はい、すいません。
何か失礼な事を言ってしまいましたか?」
心配になって蓮を見つめる。

「いや、君で良かったと思った。
君とは構えないで話せるから楽で良い。
これからは…心菜って呼ばせてもらう。俺の事は蓮でいい。」

それを聞いて心菜はびっくりする。

「私の事は構いませんけど、北條さんの事を呼び捨てなんて出来ないですよ。
年上ですし、何より患者様です。バチが当っちゃいます。」

蓮がフッと笑い、
「苗字は好かない。名前で呼んで欲しい。」

「えっ!?……じゃ、じゃあ…蓮さんってお呼びます。」

心菜は生まれてこの方、男の人と付き合った事が無いから突然の名前呼びにはドキッとしてしまう。

だからかちょっと照れてしまう。

「…なぜ、照れる?」

人の気も知らないで、蓮が不思議そうにそう聞いて来るから、もっと顔が真っ赤になってしまう。

「…い、いえ。何でも無いです。」
心菜はそう言って、プリンを一心不乱に食べ始める。

蓮はフッと笑って、入院生活がこれでやっと落ち着いて楽しくなりそうだな、と安堵した。