誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)


「お口に合って良かったです。」
心菜も沢山食べてくれて嬉しいと思う。

ご馳走様をして、2人仲良く後片付けをする。

「ああ、そうだ。デザートにプリンを用意してあったのを忘れていた。」

皿を食洗機に入れる手を止めて、蓮は冷蔵庫から箱入りのプリンを持って来る。

「わぁー、私の好きなお店のです。蓮さんが買いに行ってくれたんですか?」
嬉しそうに心菜が言う。

「いや、時間が無かったからマネージャーに行かせたんだ。そんなに喜ばれるなら俺が買いに行けば良かったな。」

「いやいや、このお店いつも凄く並んでるんです。蓮さんには並べさせられませんよ。」
心菜はホッとする。

もしも蓮が並んでたなんて言ったら明日からお店は倍に客が増えてしまうだろう。

「期間限定のものもいくつか買えたらしいから、心菜が好きなの選べば良い。」

「嬉しい、ありがとうございます。
コーヒーとか飲まれますか?
そう言えば、蓮さんはお家ではあまりお酒は飲まないんですか?」

「毎日は飲まない。飲んでも酔わないから、酒の良さが分からないんだ。今日は心菜もいるから、特に飲みたいとも思わない。」

私がいるから飲まないの? 
どう言う事だろう。と、心菜は思う。

「心菜は家では飲むのか?」

「私はそんなに強く無いので付き合って飲む程度です。兄は毎晩、お風呂上がりに飲んでましたけど。」

だからさっき、ビールも出してくれたんだな。そう蓮は思う。

「そうだな。心菜は俺の居ないところでは飲まない方が良い。外でなんて飲んだら、知らない奴にお持ち帰りされるぞ。」

前回の事を言われているのだろうと、心菜はシュンとする。

「これから、もしも外で飲む時は絶対俺に知らせろよ。必ず迎えに行くから。」

「もう当分飲む事は無いかと…。」
バツが悪くて小さな声になる。

「忘年会とか新年会とか無いのか?」

「仕事場では年に一度忘年会はあるみたいですけど、自由参加みたいですよ。」
心菜はそう言えばと思って伝える。

「今年は新人だし、出ない訳にもいなかいだろ?」
蓮が鋭く追求する。

「…確かにそうですね。同期の子にどうするか聞いてみないとです。」

もう気付けば季節は11月、来月辺りにはあるのかもしれないと心菜は思う。

コーヒーが沸いて、プリンの箱を持って蓮がソファに運ぶ。心菜もスプーンと飲み物を用意して後ろに着いて行く。

心菜はコーヒーが苦手だから、紅茶のティーパックをさっき買った犬のマグカップに入れて、温めて頂く事にした。

可愛い。
そのカップを運びながら思わず笑みが漏れる。

この紅茶も蓮さんが私の為に買っておいてくれたのかな?
そう思うだけで喜びもひとしおだ。