誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)


「この曲好きです。」

ふふっと心菜が笑うから、

「ありがとう。心菜は俺の歌なんて興味無いと思ってたのに、結構知っててくれてるんだな。」
蓮も不思議と素直に嬉しいと思う。

「これでも、蓮さんの事を知ってからちゃんとお勉強しましたから、芸能界には疎いですけど、蓮さんの曲は分かります。」

「勉強したんだ。」
曲を聴くのに勉強と言う心菜を面白いなと蓮は思う。

「アルバムも2枚買いました。」
得意気にそう言ってくる。

「なんだ、欲しかったらあげたのに。
北條蓮には興味が無いのかと思ってたから、好きなの持って帰ってくれていい。」
TV横の棚に並べられたCDを指挿して言う。

「蓮さんが曲を作ってるところも見てますから、興味が無い訳ないじゃ無いですか。」

なぜだか、ちょっとムッとしてる顔を向けられる。

蓮は気休めに近くに飾ってあったギターを持って来て、音を鳴らしチューニングし始める。

「ギターも弾けるんですか⁉︎」
びっくりした顔で心菜が言うから、

「俺を誰だと思ってるんだ。」

蓮は笑いながら歌を口ずさむ。
流れるように弾き語りして一曲歌い終えると、心菜がパチパチと拍手をする。

「凄い、生歌貴重ですね!!」
嬉しそうに満面の笑みだ。

機嫌を取り戻してくれたと蓮は安堵する。

「歌ぐらいで喜んでくれるなら何でも歌ってやる。心菜の機嫌を取るのは簡単だな。」

蓮は揶揄い半分でそう言うが、内心どんだけその笑顔が見たくて、一喜一憂してるかとホッとため息を吐く。