サービスエリアに入って外の空気を吸おうと車を降りる。

「コーヒー買ってきますね。ちょっと待ってて下さい。」

自動販売機を見つけてそちらに走り出そうとするのに、腕を掴まれて止められる。

「心菜、夜に1人で行動するのは危ない。
世の中悪い奴だっていっぱいいるんだ。
心菜は可愛い、それに無防備だ。
今まで何とも無かった事が奇跡だっただけで、これからは俺が心配すると思って出来るだけ夜は1人で出歩くな。」

突然の過保護にびっくりする。

「…この前は、酔ってただけで…大丈夫ですよ?」

「俺が大丈夫じゃない。ずっと思ってたんだ。ただ、言える立場じゃなかったから言わなかっただけで、今はその立場を手に入れたんだから、ちゃんと言うこと聞いて。」

そう言って、手を繋いで自動販売機に連れて行ってくれる。

…ずっと心配してくれてたんだ。

若干子供扱いされてる気がするけど、蓮さんに心配かけたく無いから気をつけなくっちゃと素直に思う。

「私がお金出します。」
ここは譲らないと、慌ててお財布を出して蓮さんにコーヒーを買って渡す。

蓮さんは笑いながら、
「変なところで頑固だよな。」
と言われる。

蓮さんは私のためにミルクティーを買って渡してくれけど。これではただの物々交換になってしまった気がする。