誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

「俺も…こういうのは初めてだ。
自慢じゃ無いが、今までちゃんとした恋愛はして来なかったから。」

「えっ?ちゃんとしてない恋愛ってなんですか?」

フッと蓮は笑い、
「そこを深く掘り下げるな。
とりあえず、心菜が消えないように手は離さない。」

気後れしそうになる心菜をよそに、蓮は手を繋いだまま店に入った。

店内には5組み程の客がいて、やっぱり蓮を見て騒ついてるように見える。

心菜はソワソワと気持ちが落ち着かない。

「いらっしゃいませ。こちらでお召し上がりですか?」

レジ前で注文をするスタイルだったので、心菜はすかさず、
「持って帰ります。」
と、伝える。

蓮はいいのか?と言う視線を投げかけてくるが、
「夕焼けが綺麗だから外で食べましょ。」
と、誘う。

どう考えてもこの店内で食べるのは周りの視線が気になって無理。

蓮さんは気付かないのかな?
もしかして、これが普通だから気にならなくなってるのかな?

心菜の気持ちも騒ついて、既にこの場所から逃げ出したいくらいだ。

それなのに、メニューを出されて迷ってしまう。どれも美味しそうで決められない。

「どれが食べたいんだ?」

心菜の優柔不断は知っているから、既に心菜が食べたいと思う、全てを買おうと思っている蓮は受け身の体制だ。

「これと、これと…あと、これも捨て難いです。」

「じゃあ、コレ3つお願いします。後、飲み物とサイドメニューは?」

蓮の手に掛かればあっという間に決まって行く。

「飲み物は…どうしようかなぁ…ココアで。」

「じゃあ、後、ホットコーヒーと、ポテトとナゲットでお願いします。」

蓮は淡々と注文して、あっと言う間に会計まで終えてしまう。

「蓮さん、いつも払って貰うのは申し訳ないので、私にも払わせて下さい。」
小声でお願いする。

「心菜には借りがいっぱいある。入院中はずっと介護してもらったし、弁当も作ってくれた。これから俺といる時は財布は出させない。」

心菜はお弁当の事を思い出して急に恥ずかしくなる。

「あんな…おにぎりじゃ、何だか蓮さんに申し訳なかったです。もっとちゃんとしたもの作れば良かった…。」

シュンとする心菜に蓮は伝える。

「おにぎり美味かった。
何よりも心菜の優しさが伝わってきて、今までで1番美味かった。ありがとう。」

「今度はちゃんとしたお弁当を作りますから、リベンジさせて下さいね。」

どうやったって、きっと今朝食べた朝食まではいかないけど、蓮さんに食べてもらいたいと心菜は思う。

そうこうしてるうちに、注文したハンバーガーは出来上がり、早速外で食べようと、2人は海岸線を歩きながら場所を探す。