誰にも言えない秘密の恋をしました       (この唄を君に捧ぐ)

「天気良いな。
このまま送るのも勿体無いから、少しドライブでもするか。」

蓮は眩しそうにサングラスをかける。

車窓からは正午の柔らかな日差しを浴び、紅葉した街路樹はハラハラと葉を落としてとても綺麗だ。

心菜はそんな風景を見つめながら、ハッとする。

「そんな事して大丈夫ですか?ファンに見つかったら大変ですよ。」

確かに、と蓮は思う。
芸能界に入ってから変に世の中を騒がせるのも面倒だと、休日にどこかに行くなんて事はあまりしなかった。

スキャンダルなんてどうでもいいが、心菜を
世間に晒すつもりは無い。
彼女の生活を守るのが自分の使命だとも思う。

「外に出なければ問題無い。心菜ともう少し一緒に居たい。」

素直に心の内を露とする蓮に心菜はタジタジになってしまう。

「れ、蓮さん…本当に…私で良いんでしょうか…ちゃんと考えた方が良いですよ?
もっと私なんかより蓮さんにお似合いな、美人さんとか…いると思います…。」

自分で言っていても切なくなるけれど…

手遅れになる前に、夢なら覚めて欲しいと自分に言い聞かせる。

「俺の心菜に対する気持ちを疑ってるのか?至って本気だ。何ならご家族に挨拶に行こうか?」

蓮は思う。
ここまで来るのに、どんなに悩みもがき苦しんだことか…心菜は何も分かってない。

心菜は蓮にサングラス越しで、鋭い目線を投げかけられてドキッとする。

「そ、それは…大丈夫、です。」

そんな事されたら、おじいちゃんの血圧があがっちゃう…と心菜は思う。

「心菜だって、今更やっぱり嫌だとか言うなよ。」
赤信号で、蓮が笑顔で心菜を見てくるから

サングラス姿かっこいい…。
と、つい見惚れてしまう。