紗英にもよろしく言っといてね


これが、走馬灯ってやつなのかな?


こんなときなのに、そんな風に呑気に考える自分がいた


そして、私は最後に呟いた


「…大好きだよ、翼」


いよいよもう目の前にはトラックが……


じゃあね…翼






―――今までありがとう


そう思って目を瞑ったその瞬間だった―――



「奈々!!!!!!」


愛しい声が聞こえたと共に、私の体が反転した


「ドンッ」


鈍い音も一緒に………


そして私の周りには、赤いものが大量に…流れていた