自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!



 俺とローズ、グランツは幼馴染みだ。いつも三人で幼少期を過ごしていた。その幼馴染みが大きな傷を負って帰って来たのだ。ローズの狼狽え方は大変なものだった。それを見た回りの者達は厳めしい顔をした。この国を守り抜いた英雄に皆は眉をひそめた。

 俺はそれを良いことに、ローズとグランツの婚約を破棄させた。

 本当に最低な人間だ。

 その後、すぐにローズと婚約をと思っていたが、ローズがそれを拒んだ。グランツに全てをおわせ、自分だけが幸せにはなれないと言い出した。

 だが……グランツを幸せにするにはどうすれば?

 まったく分からない。

 そんな中、一人の令嬢からグランツへ求婚の申し込みがあった。

 まさかと思った。

 女性達はグランツの顔の傷を避け、遠巻きにしていたというのに……。

 俺はグランツに求婚をしてきたリリアーヌ・シモレンツについて調べてみることにした。そして驚愕の事実にたどり着く。リリアーヌ・シモレンツは戦死したと聞いたあの鮮血姫だったのだ。英雄同士の結婚、面白そうではないか。

 運命(戦争)を共にした二人なら幸せになれるのでは無いか?

 早速陛下に頼み、王命としてリリアーヌ嬢を王都へと呼び出した。

 鮮血姫……どんな女性なのかと謁見の間の端からのぞき見ていると、ごく普通の可愛らしい令嬢だった。この令嬢が本当に鮮血姫なのかと疑っていると、リリアーヌ嬢の瞳が青緑色にキラリと光った。

 ほう……これは面白い。

 これならグランツも……。

 それからあっという間に二人の婚姻が決まり結婚式へ。

 いつもと変わらない仏頂面なグランツの姿が祭壇前にあったが、ウエディングドレス姿のリリアーヌ嬢を見て呆けた顔をしていた。

 これは……。

 それからのグランツの変わり様には驚いた。

 これが鬼神と呼ばれた男なのかと思うような表情を見せる。甘ったるい顔で笑う親友を、俺は今まで見たことが無い。普段でも滅多に笑わない男が笑っている。

 それにはローズも驚きつつ、微笑んだ。

 これで俺達も幸せになれる。