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グランツは控え室で大きく溜め息を付いた。
式の間、リリアーヌはずっと小刻みに震えていた。泣くのを我慢していたのだろう。時々口元を押さえ、赤くなる姿にいたたまれなくなった。
可哀想に……こんな鬼のような男の元に突然嫁ぐことになり、さぞ悲しんでいることだろう。
大丈夫だ。
君を悲しませることはしないから。
俺は神に誓いを立てる。
この少女を清いまま守り続けると……。
俺は夜になりランプの灯された廊下を音を立てないようにしながら歩き、リリアーヌの待つ寝室の前へとやって来た。深呼吸してから俺は目の前の扉をノックする。すると中から可愛らしい返事が帰って来た。
「どうぞ……」


