自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!


 部屋から聞こえてきた声に、リリアーヌの鼓動がドクドクと早くなる。

 そっと部屋の中をのぞくと、ローズ様の前に膝を付き、騎士の礼を取るグランツ様の姿があった。それは忠誠を誓う騎士の礼だった。

「必ずあなたをお守りします」

 主たる者に誓いを立てるグランツ様の姿に、リリアーヌは唖然とした。

 心臓が更にドクドクと嫌な音を立てる。

 息を吸い込もうとしても、ヒュッヒュッと音を立てるばかりで上手く呼吸できない。

 手の先が冷たくなり、そこから全身に広がるように冷たくなっていく。それと同時に体がカタカタと震え出す。

 私に隠れて二人は会っていた。

 グランツ様……あなたの心が私に無いことは分かっていた……。

 それでも私と結婚してくれたのだからと、信じていたのに……。

 ジワリと目の奥が痛み、瞳が揺れ始めると、視界が悪くなっていく。

 こんな所で泣いてはダメ。

 ゆっくりと深呼吸を繰り返すが、感情を抑えることが出来ずに涙が溢れ出した。溢れだした涙が頬をつたい、こぼれ落ちていく。

「リリアーヌ様……」

 後ろから心配そうに伺う声が聞こえてきた。ゆっくりと後ろに振り返るとルーニが立っていた。

 涙を流す私を見たルーニは、驚いた表情を見せた後、グイッと私の腕を引いて歩き出した。

「リリアーヌ様こちらへ……」