自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!


 *

 食事を済ませたリリアーヌは、休憩を挟んで鍛練場へとやって来た。本日の集団での鍛練は走り込みからで、基本の体作りをするようだ。私達新人騎士は基本に忠実にが大切になる。そして始まった基礎体力作りだったのだが、鍛練場を10周回り始めたところで周回遅れになる新人騎士が出始める。リリアーヌは一番後方から騎士達について行く形を取っていたが、気づけば先頭集団と共に走っていた。そして30周を越えると、地面に這いつくばる新人騎士が……。

 あらら……。

 ルーニは大丈夫かしら?

 そう思い後方に視線をやるとルーニは周回遅れではあるが、何とかついてきていた。

 この鍛練場は1周が300メートル、40周で12キロになる。リリアーヌは変然とした顔をしたまま先頭集団について行き、40周で終了となった。騎士のほとんどはゾンビのように地面に寝転がり、うめき声を上げている。立っているのはリリアーヌと数人の騎士のみ。

 まあ、こんなものよね。

「りっ……リリアーヌ様、凄いっすね。俺達新人もやっと周回遅れで走りきれるようになったところなのに……」

「辺境拍領でもかなり走り込んでいたから……まあ、鍛え方が違うのよ」

 そう言って笑うと、ルーニの頬がポッと赤くなった。

 あら?

 どうしたのかしら?

 首を傾げていると、後方から声を掛けられた。

「リリアーヌ様、次は剣での稽古となりますが、良かったら私と手合わせ願えませんか?」

 そう言ったのは、この騎士団の副団長アロン様だった。

「えっと……副団長とですか?その……良いのですか?」

「はい。手加減無しでお願いします」

「分かりました」