自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!


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 それから数日後、騎士団の征服に身を包んだリリアーヌは、王から賜った剣を帯剣し騎士団本部へと向かった。グランツ様は早朝からやることがあると、先に向かったためリリアーヌは一人馬車に揺られながら決意する。

 今日から始まるんだ。

 私はグランツ様の右腕になる。

 あなたの背後は私に任せて欲しい。

 あなたが力いっぱい、その力を発揮できるように。

 馬車が騎士団の鍛練場前につくと、副団長のアロンが待っていた。

「リリアーヌ様お待ちしておりました。一度騎士団長の執務室の方へとご案内いたします」

 恭しく接してくるアロンにリリアーヌは困惑する。確かに格上の騎士団長の妻という立場だが、今の私は本日入団したばかりの新人騎士なのだ。様を付けて呼ばれるような立場では無い。

「私の事はリリアーヌで大丈夫です」

 そう言うとアロン様が困ったと言うように眉を寄せた。

「そういう訳には参りません。あなたは騎士団長の奥方様ですから……それに……」

 団長が許さないでしょう。

 アロン様が、小さな声で何かを言っていたが最後の方は聞こえなかった。よく聞こえなかったため、首を傾げるとアロン様は何でもありませんと、手を振って見せた。

「そろそろ時間ですので、団長の執務室までご案内します」

 やはり言葉遣いは変わらないようだ。

 それも仕方が無いか……と思っていると、すぐに騎士団長であるグランツ様の執務室に到着した。