嬉しくてふわっと笑うと、殿下が一瞬動きを止めたが、すぐに柔らかい表情で笑いながら「きみは可愛い」と甘い声で囁いた。
うわーー。
すごい。
これはグッとくるわ。
でも私の一番はやっぱりグランツ様だ。
そういえばグランツ様は?
そっとグランツ様の方へと顔を向けると、無表情で私達の会話を聞いていた。
グランツ様?
それから殿下と他愛も無い話をして帰る事となった。
私が立ち上がる前にグランツ様が立ち上がり、手を差し伸べてくれた。リリアーヌがその手を取ろうとしたところで、いつの間にか横にやって来ていた殿下が私の前に手を差し出した。目の前の二つの手に困惑していると、グランツ様がスッと手を引いた。引かれてしまった手を目で追いかけていると、リリアーヌの前に手が差し出される。
ドミニク殿下?
リリアーヌは差し出された殿下の手の上に、そっと手をのせ立ち上がる。すると殿下が嬉しそうにニコニコと笑った。
「では、リリアーヌ嬢近いうちに」
そう言って扉の前までエスコートしてくれた。扉を出たところで、殿下が申し訳なさそうな顔をした。
「リリアーヌ嬢、申し訳ないのだがここで少し待ってもらえるかな?グランツと少し話がしたいのだが……」
「分かりました。それなら庭園の方へ行っていてもよろしいですか?」
「ああ、かまわないよ。レイン、リリアーヌ嬢を庭園へと案内してあげて」
レインと呼ばれた先ほどの眼鏡の執事が、庭園まで案内してくれるらしい。
「リリアーヌ様、レイン・スカイヤッドと申します。庭園までご案内いたします」
「あっ……よろしくお願いします」


