自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!


 *

 王城に入ったグランツ様は、私をお姫様抱っこしたままズンズンと目的の場所まで進んでいく。その際、沢山の人達に驚愕の眼差しで見つめられたが、グランツ様は気にも留めない様子だった。
 
「グランツ様、もう大丈夫ですので降ろして下さい」

「もう着く、もうしばらくこのままで」

「いえ……ですが、私は筋肉質で重いです。筋肉のついたこんな体では抱き心地も悪いですよ」

 私は毎日のように剣を握り、鍛練を重ねてきた。そのため普通の令嬢のような柔らかな体では無い。硬い筋肉だらけの体は恥ずかしい。俯く私の頭に、グランツ様の溜め息交じりの吐息が掛かる。

「あなたの体は、とてもしなやかで美しい。それに軽すぎる。もっと沢山食事を摂りなさい」

 グランツ様はそう言いながら、お姫様抱っこをしたまま私を降ろそうとはしなかった。それから少し歩いたところで、目的地である部屋の前についたのか、グランツ様はゆっくりと割れ物を扱うように私を降ろしてくれた。やっとお姫様抱っこの状態から解放されたリリアーヌはホッと一息吐いた。