この若葉色のドレスは母が持たせてくれたドレスだ。ドレスの裾や手首の周りには金色の糸で刺繍が施されていて、豪華な作りになっている。
ああ……お母様、このドレスを持たせてくれたこと感謝します。
心の中でリリアーヌは母に感謝した。
最後にグランツ様に褒めてもらえたのなら、断罪されても良いと思った。
「さあ行こう」
グランツ様にエスコートされ、馬車に乗り込んだ。屋敷から王城までは15分程度だ。騎士団長であるグランツはすぐに王城へ行けるようにと、城に近い場所に屋敷があるのだと言う。馬車に乗り込むとすぐにグランツ様が口を開いた。
「リリアーヌ……本日、城に呼ばれた理由に薄々気づいていると思うが、一応説明しておく」
「……はい」
リリアーヌは消え入りそうな声で返事をした。
「本日の登城は先日の王太子殿下生誕祭での功績を称えてのものだ。あの日、目撃者達には箝口令が敷かれたが王族を守った令嬢の噂が広まってしまっている。あれは誰なのかと騒ぎ出す者もいて、褒美と称してお披露目と言う声も上がっている。しかし騎士団長である俺の妻なら特に問題ないと言う意見もあったりで……」
ボーッとグランツ様を見つめていると、話が中断してしまった。
「リリアーヌ大丈夫か?ここまでの話で分からないことはあるか?」
分からないことだらけだ。


