昨日の帰りに孤児院に寄って見たが、酷い有様だった。食事は三食出ているものの、子供達の成長には足りない様に思う。質素な食事にボロボロの服、それでも孤児院を預かるシスターは戦争直後より良くなったのだと微笑んでいた。これでは表向きは治安が良いように見せているが、一歩踏み込めば治安の悪さが垣間見られてしまう。悲しい事だが仕方が無い。

 シスターの話を聞く中で、現在の騎士団の現状も耳にした。

 グランツ様達騎士団は毎日の様に見回りを強化し、その他に建物の修繕や孤児の保護などにも手を貸しているらしい。そのせいで皆、家に帰れずにいるということをシスターが教えてくれた。

 帰って来られないのがグランツ様だけでは無いことに、リリアーヌはホッと胸を撫で下ろした。

 理由が分かって良かった。

 それなら、少しでも騎士団の人達の役に立てることはないかしら……。