それからまた一週間が過ぎた。
傷心するリリアーヌを心配して、サラが外に出ようと提案してくれた。
「リリアーヌ様、ずっと屋敷に閉じこもってばかりでは健康に良くありません。ほら、これを着て外に出ましょう」
お忍びの貴族風といった装いのドレスを身につけ、リリアーヌは馬車に揺られ貴族の住む住居街をぬけると、王都の街の中へと馬車で入って行く。そういえば、街の中を探索するのは初めての事だった。しばらくすると馬車の中に人々の楽しそうな声が聞こえてきた。そっと馬車の中から視線を外に向けると、沢山の人々が行き交い、挨拶を交わし、商店の店主が客引きを行う声が響き渡ってくる。もの凄い熱気と活気に、リリアーヌは目を見張った。
「凄い……。まるでお祭りみたいね」
久しぶりに見るリリアーヌの笑顔にサラが微笑む。
「本当ですね。辺境伯領ではこんなに沢山の人々を見るのはお祭りの時ぐらいですからね」
「サラ見てあそこ!可愛いお店があるわ」
「本当ですね。馬車を止めて見てみましょうか」
サラは御者に馬車を止めるように言い、二時間後に戻って来るように告げた。いくら王都の大通りと言っても、馬車をそのまま止めておくことは出来ない。こんなに大きな馬車で道を塞ぎ止めておくことは、マナー違反になってしまうからだ。時間を確認し、私達は先ほどのお店の前へとやって来た。
「さあ参りましょう」


