自国最強の騎士団長様は私が守ります。だって私、世界最強ですから!


 半信半疑のまま急ぎ事実確認をしてもらう為、サラを王都へと向かわせたのだが、噂は本当だった。私はこれ幸いと、グランツ様と結婚させて欲しいとお父様に懇願した。

 自分との婚約をと……。

 しかし、シモレンツ辺境伯である自分の父にそれを止められてしまう。

 何故……?

 今動かなくては、グランツ様がまた誰かと婚約してしまう。急がなければいけないのに、回りが邪魔をいて上手く話がまとまらない。それも全て鮮血姫と呼ばれていたあの人のせい。せっかく戦死してもらったというのに……。

 グッとリリアーヌは奥歯を噛みしめた。

 それから二年、何とかグランツ様との婚約を取り付けた。やっとあの人と会うことが出来る。長かった、本当に長かった。初めて会ったあの日から12年の月日が流れていた。 

 遠くからあなたを見守るだけで良いと思った事もあった。だからあなたに会いに行くことはしなかった。それでもこの思いが抑えられなくなって、あなたに会いに行った時にはすでに、あなたの隣にはローズ様が寄り添っていた……。

 あんなに悲しい思いをするのはもう嫌だ。

 私はあなたの隣に立つことが出来るんだ。

 やっとあなたの隣に堂々と立つことが出来ると思ったのに。

 小さな片思いがやっと報われる日が来たのだと、浮かれていた。

 あなたと結ばれる……そんな事があるはず無いのに。

 あなたの心はまだあの人の元にあるのですね。

 あなたの思い人は……私では無い。

 あの困った様な笑みは、そのためだったのですね。

 思い知らされる。

 グランツ様にとって、この結婚はあくまで政略結婚で、しかも王命であり愛が無いものなのだと。

 体がワナワナと震え出し、涙が溢れ出す。

 ごめんなさい。

 ごめんなさい。

 ごめんなさい。

 私のワガママにあなたを巻き込んでしまった。

 優しいグランツ様は私に気遣い、自分の屋敷にも帰ってこられなくなってしまった。

 いたたまれなさに、体を丸くして一人ベッドにうずくまった。