辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「妃になってから自分でやる仕事かと思っていましたが、きっと殿下なら辺境に目を向けてくださいますよね。だったら私が無理に妃にならなくても……?」

「……よくわからない人だな。普通はどんな手を使ってでも妃になりたいと思うものだろうに」

「妃になりたいというより、辺境の問題を改善したかったんです。あ、でも妃になったあかつきには殿下のためにどんなことでもします」

「俺のためになど、なにもしなくていい」

 こぼれた言葉はランベールの本音だったようで、一人称が気さくなものに変わっている。

「多種族が平等に、幸せに生きる国のために尽力してくれ。……私が妻に望むのはそれだけだ」