辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「家族は王都に来たがらないと思います。父も兄たちもクアトリーを愛しているので」

 実際のところ、リティが呼べばふたつ返事で飛んでくるだろうが、永住するとなるとまた話は別だ。

「ドレスも宝石もあまり必要ありませんし……。今まで持っていなかったので、どういうものが流行の品なのかもわからないんです」

「だが、今夜のあなたはとてもきれいだ」

 なんの前触れもなく褒められたリティは、目をぱちくりさせた。

 それからなにを言われたのかを理解し、花が咲くように顔をほころばせる。

「兄たちが妃選びのために仕立ててくれたドレスなんです。このペンダントも母の形見で、父と同じ瞳の色なんですよ」