辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 リティは情けなさから、胸もとのペンダントをぎゅっと握った。

「私はまだ、候補者でいられるんですか?」

「あなたの拳は届かなかった。それに、先ほどの件は明らかに彼女たちに非がある」

「……私たちの話を聞いていらっしゃったんですね」

「言っておくが、あなたたちのほうが後から私のもとに現れたんだ。あんなやり取りを聞かされなければ、気づかない振りをして立ち去るつもりだった」

 迷子になって不安がっていたリティには、どこにランベールがいたのかまったくわからなかった。

「女性はああいったときに泣くものかと思っていたが、まさか父の名誉のために拳を振り上げるとは……」