辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 ひやりと冷たい感触に身体がこわばるも、今はそれを気にしている余裕がない。

「申し訳ありませんでした」

「少しは落ち着いたか?」

「……はい」

 リティは隣に座ったランベールにも頭を下げる。

「殿下には恥ずかしい場所を見せてしまいました」

「止める相手があなたの父君でなくてよかった。私に御しきれるような方ではないからな」

「……え?」

 許しを得ていないのに顔を上げたリティは、楽しそうに笑っているランベールを見て目を丸くした。

「暴力に頼ろうとしたことは擁護できない。だが、あれだけ侮辱されれば誰だって頭に血が上って当然だ」

「……はい」