辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「星明かりの下に追放するほど私も鬼畜ではない。今夜のうちに荷物をまとめ、ほかの候補者たちが目覚める前に城を出て行け」

 令嬢たちは誰ひとり動こうとしなかった。

 なんとかしてランベールの許しを得ようと必死に考えているのが見てわかる。

「さて」

 言うだけ言ったランベールがリティを振り返った。

「あなたにも言わねばならないことがある」

「……はい」

 令嬢たちと違い、リティは神妙にうなずいて歩き出したランベールの後に続いた。

(どんな理由があったとしても、手をあげたのは最低の行為だったわ)

 すっかり頭が冷えたリティは令嬢たちを振り返り、立ち止まる。