辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

「多種多様な民族が生きるエモニエにおいて、あなたたちのような醜い偏見を持った者を妃に据えることはできない。彼女の父が海からの侵略者を食い止めてくれていなければ、とっくに他国の手に落ちていたかもしれないというのに、辺境出身というだけで蔑むのか?」

「ご、誤解です、殿下」

「ひと言の重さもわからないような者を妻にするほど、私が愚かだと思うか」

(怒って、いる)

 リティは信じられない気持ちでランベールを見つめた。

 先ほどまでは意気揚々とリティを罵っていた令嬢たちが、暗がりでもはっきりわかるほど青ざめて震えている。