辺境の貧乏令嬢ですが、次期国王の王妃候補に選ばれてしまいました

 敵の姿を見かけたら、まずは距離を取る。

 彼女にそう教えたのは父とふたりの兄だ。

「私はただ、迷っただけよ」

「本当に? こっそり殿下の部屋にでも忍び込むつもりだったんじゃないの?」

 ここまであからさまに敵意を向けられるのは初めてだったが、リティは怯まなかった。

「そんなことをしてどうするのよ。私をあなたのお妃に選んでくださいって直談判でもするの?」

 本気で意味がわからず言ったリティを、三人は小馬鹿にして笑う。

「なにそれ、天然な振り?」

「なんの話?」

 令嬢たちが匂わせる行為について、リティは本気で知らなかった。